Meme11様作品

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雪のように

私は気がついたら雪山にいたことがある。もうずっと、ずっと昔で、まだあなたと同じ背くらいのころね。冗談なんかじゃないわ本当のことよ。 とても寒かった。コートを着ていないと思えるくらいに冷えて、その上に風は強い。視界は真っ白で1メートル先も見えない、まさに猛吹雪の中だった。 ここはどこ? お母さんは? お父さんは? お気に入りの暖炉で温まっていたはず、そもそもコートも着ていなかったはずなのに。不思議よね。 頬にはまだ暖炉で熱の余韻があった。冷たい風が直ぐにかき消していったから幻のようだった。雪の中にいること自体が幻だと思ったけどあの寒さは本物だった。
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秘密の森

 私の先生が事故に遭った。事故に遭う前、電話で「会って話がしたい、とっておきの秘密があるんだ」と興奮気味に言っていたのを覚えている。 最後に先生を見たのは待ち合わせの喫茶店の窓際の席からだった。すぐ向かいの歩道で、ぼくに気づいて手を振って...
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砂の旅人

あの三角の山にはそれぞれに王が眠ると言う。入口は狭く、中は細く長く。でも誰も入った事がないのでどんな王が眠るのか知る人はいない。ただピラミッドという名前のついた人工の山だってことだけが口伝されている。 それぞの入口は王にまつわる動物の彫像...
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夏休みは鎧武者

 学校の裏には山があって鎧武者の幽霊がでる。ぼく達の友達である。  夏休み。友達と四人で肝試しに行こうと言う話になった。長い夏休みの始まりにはうってつけのイベントだ。我ながら良い提案をしたと思う。  場所は学校の裏の山だ。綺麗な川が...
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風花

「そんな恰好で寒くないの?」 「寒くないに決まってんじゃん。ふつー雪女にそんなこと聞くかね」  山に囲まれた深い森、深い雪の中。前を歩く雪女は投げやりに答えた。 「そろそろ脳みそまで凍ってきたとか」  ムカッとする。バカげた質問だ...
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