遊佐堂様作品

遊佐堂様作品

あの人の道

最初の記憶は後ろ姿だ。すらっと上から下へと流れるようにきれいな輪郭を持つ体、ふんわりとなびく赤毛の長い髪。さざ波を聞きながら、私はぼーっとその人を見ていた。 次の記憶は部屋。天井は白色、壁は柔らかい黄色の部屋に私はいた。カモメの鳴き声で私は目覚めた。キョロキョロと視線を動かすとさっきの美しい後ろ姿が見えた。
遊佐堂様作品

ひとりぼっちの最終地点

いつから私は旅を始めたのか。それを思い出せなくなった。物心がついたときから私は旅をしていた。赤ちゃんや子供の時はさすがに一人で旅はできなかった。ぼんやりとした記憶だけが残っているが、かつては誰かと一緒に旅をしていた。顔もおぼろげ、声も覚えてない。覚えているのはなんとなく優しい人だったことだ。幼かった私が一緒にいた人を見上げると、相手は必ずあたしを微笑んでくれた。
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