翼 翔太様作品

翼 翔太様作品

氷の花の愛

はらはらと花びらのように雪が舞う。それはこの世界では日常だった。 赤い毛糸の帽子、臙脂色のコートに身を包み、真っ白なスケート靴を持って一人の少女が外に出た。傍らには少女の身長とそう変わらない大きさの狼がいた。 「ディリヒラ」 名前を呼ばれた少女、ディリヒラはふり返った。玄関には母親が立っていた。
翼 翔太様作品

変狼

今夜もどこからか狼の遠吠えが聞こえる。心地よくも恐怖を感じるその声をウォルはベッドの中で聞いていた。「この声は誰だっけ。……そうだ、肉屋のおじさんだ。あの人の声はちょっと低めだから」あちこちから狼の遠吠えが聞こえる。けれど襲われることは決してない。この村に住んでいる人間は、変狼族という一族でだれもが狼に変身できる一族だ。
翼 翔太様作品

不幸見のヴィーゼ

雪のように真っ白な草原がどこまでも続き、満天の星がちかちかと輝いている。そんな夜の白い草原をヴィーゼはどすどすと歩いていた。 「なによなによっ、お父さんとお母さんのばーかっ」 ヴィーゼは手で思いきり白い草を薙ぎ払いながら進む。
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