ねど様作品

角渡しのユニコーンは人の妻に恋をする

エヴィーケンの森という、それはそれは美しい森があった。  どんなに周りが嵐になろうとも、その森の周辺だけは必ず雲が避け、太陽が照らしていた。人間達の勝手な戦火が近づいてこようとも、その森だけは燃えることが決してなかった。  そんな人間達の...
Meme11様作品

砂の旅人

あの三角の山にはそれぞれに王が眠ると言う。入口は狭く、中は細く長く。でも誰も入った事がないのでどんな王が眠るのか知る人はいない。ただピラミッドという名前のついた人工の山だってことだけが口伝されている。 それぞの入口は王にまつわる動物の彫像...
Meme11様作品

夏休みは鎧武者

 学校の裏には山があって鎧武者の幽霊がでる。ぼく達の友達である。  夏休み。友達と四人で肝試しに行こうと言う話になった。長い夏休みの始まりにはうってつけのイベントだ。我ながら良い提案をしたと思う。  場所は学校の裏の山だ。綺麗な川が...
遊佐堂様作品

始まりは願いから

 おまじないをするには誰もいないときにするべき、真夜中がいい。真夜中は何かをするときには都合がいい。  魔女に教えてもらったまじないを今日もやってみる。  身を清め、花を片手に森に入る。真っ暗闇な深夜で危ないところは森だけじゃない、お父さ...
ねど様作品

穢れ落としの湖

天使の仕事は、死んだ地上界の生き物の魂を天上界へ運ぶこと。しかし、それは死んだ後の生き物に限られ、死の瞬間に立ち会ってしまうと死の匂いが羽へと染み込み、やがては死を司る堕天使へと変貌してしまう。もしそうなってしまった場合は、やむを得ず処刑...
Meme11様作品

風花

「そんな恰好で寒くないの?」 「寒くないに決まってんじゃん。ふつー雪女にそんなこと聞くかね」  山に囲まれた深い森、深い雪の中。前を歩く雪女は投げやりに答えた。 「そろそろ脳みそまで凍ってきたとか」  ムカッとする。バカげた質問だ...
翼 翔太様作品

帰り道の魔法使い

 白薔薇が今日も誇らしげに咲いている。ここの薔薇はあっという間に満開になり、知らぬ間に枯れていく。そんな白薔薇が咲き誇っている屋敷の庭で、エレーヌはジャスミンティーを飲んでいた。ふわりと薔薇とジャスミンの香りが鼻を抜ける。翡翠色の水面に...
翼 翔太様作品

境界

足の裏に丸みのある石の感触を感じながら歩を進める。少し力んでしまい、足の下や近くの石が転がり、体のバランスを崩しそうになった。 「おっとっと」  なんとか尻餅をつくことなく、体勢を立て直したカイは進んだ。しばらくすると石には角が立ってゴツゴツしたものに変わってきた。 「こけたら絶対怪我するな、これ」  カイはより慎重に進んだ。
句礼字頼太様作品

狼男の願い事

夜の帳が降り、空には月が昇っていた。  人の気配がまるでない草原を、一人の男が歩いていた。 「ああ、また満月の晩が来てしまった」  深い溜息とともに肩を落とす。見目麗しい青年だったが、何かを恐れるように暗い表情をしていた。
翼 翔太様作品

歌の結び糸

苔と申し訳程度の雑草。ごつごつとした地面と岩壁。それがカテリーナの七歳からの住み家だ。カテリーナの中で一番古い記憶はきらびやかな部屋と長い廊下、シャンデリアのかかった天井だ。かつての家である王都の城には今の政権を握っている男が住んでおり、父親はこの世を去り、母も別れてからはどうなったのか知らない。
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